▼第10試合/ボクシング特別ルール/3分3R(判定決着なし)/70kg契約
―ブアカーオ・バンチャメーク(ムエタイ/タイ)
判定無し ドロー
―皇治(RIZIN/日本)
ブアカーオは、ムエタイ界の生ける伝説。04年にK-1 WORLD MAXトーナメントに初参戦し、決勝で魔裟斗を下し優勝を果たすなど、旧K-1で大活躍。42歳となった現在だが、23年にはRIZINで安保瑠輝也とドロー、今年3月には木村ミノルにKO勝ち。7月には新生K-1に初参戦し、ストーヤン・コプリヴレンスキーに善戦するなど、健在ぶりを見せ付けている。
対する皇治は、16年より新生K-1を主戦場とすると、武尊との大激闘など数々の戦いを経験、20年にはRIZINに移籍し敗北も経験するが、那須川天心ら強豪選手と戦ってきた。直近はMMAに転向して、1勝1敗の戦績を残している。
1R、皇治がサークリングして左ジャブ、接近して左ボディを打つ。ブアカーオはガードを固め、じりじり接近する。ブアカーオは左右ボディ打ちを強打、皇治も左フックをガードの上から返す。ブアカーオのガードの隙間から皇治はアッパーを繰り出す。場内は皇治コール。
2R、ブアカーオは左ジャブを突きながら圧力を強める。皇治も左ジャブを突き、右ストレートを返す。両者ともフックが相打ち気味に。ブアカーオは右ストレートを伸ばし、接近戦から荒々しく左右フック、ストレートを打ち込む。ブアカーオは終盤、右ストレート、左右フックと攻め込む。やや被弾する皇治だが、気合で倒れず’’来い来い’’とアピールする。
3R、前に出て右ストレート、左フックを強打するブアカーオ。皇治はブアカーオの打ち終わりを狙い、左フック、右ストレートを返す。ブアカーオがどんどん右ストレート、ボディ、左右連打を集めていくが、皇治も随所でフックを打ち返す。皇治のパンチは交わしたブアカーオは右ストレート、右アッパーを繰り出していった。
KO決着が付かない場合は判定が付かないため、この試合は判定無し、ドローとなった。
ブアカーオは「こんにちは、ありがとう」と言い、感謝のコメントを口にした。
皇治は「皆さん、こんばんは。今日はありがとうございました。いつも、試合前は煽って、終わった後に選手を称えるのって飽きているかもしれないけど、僕は自分から煽る選手は尊敬しています。TVで見ていた、ブアカーオさんと殴り合えて幸せでした」とブアカーオに感謝を述べる。
続けて、「素晴らしい興行、チャリティイベントは、谷川さんが色んな団体と協力して大会を開いてくれました。日本の武道を世界に広げていく大会ですが、武道で大切なのは気持ちだと思います。男の皆さんに言いたいけど、笑われても自分を誇ってほしいです。ボコボコにされても、何度も倒れても挑んでいく姿が男やと思っています。ステロイドとか大麻とかせんと、男はぶっ倒れる覚悟で生きていってほしいです」とアピール。最後には、「早く倒されたいわ」と笑いつつ、フロイド・メイウェザーとの対戦を匂わせた。
試合後コメント
ブアカーオ・バンチャメーク(ムエタイ/タイ)
「今日はとても楽しかった。エキサイティングでした。(右拳のアイシング)拳はダメージではなく痛みがあるので、一応アイシングしているだけです。拳の痛みのみで、他にダメージはありません。
-戦ってどう思ったか?
強い選手だなと打たれ強く、ハートの強い選手でした。
-どんな気持ちで戦っていた?
楽しくやっていました。ただ、ルールはボクシングだったので、足技やヒジを出ないように、気持ちをそこに向けていました。
-前日会見で顔に葉巻の煙をかけられたり挑発されたことについて
気にしていなかったです。ああいうことをやって盛り上げる人なんだなと。でも、タバコ吸いながら出てくる選手はいなかったので驚きました。明日覚えておけよと思っていました。でも彼なりの大事なパフォーマンス姿勢のひとつで、チームも理解していました。
-手応えのあった攻撃は?
倒せそうな瞬間は、いくつかありました。打たれ強かったです。倒れなかったので、ハートの強い選手でした。彼の良さを知るためにも、キックの試合でも戦ってみたい。
-魔裟斗よりも打たれ強かった?
うーん、皇治の方が打たれ強かったですかね。
-今後ボクシングルールは?
何試合でもやりたい。誰と戦いたいとはないですけど、見合う選手、ビッグネームがいれば戦ってみたいです。自分のボクシングをするために、ムエタイのリズムで戦っていました」
皇治(RIZIN/日本)
「死にますね。やっぱりステロイドせな試合しちゃあかん(笑)。まあ、それは冗談ですけど、最低限じゃないですか。谷川さんからオファーもらって、短い期間でしたけど出てよかったなと思いました。(気持ちが見える試合だった)めちゃくちゃパンチが重いわ。重いし、すごいジャブとか当たっていたと思うけど効いている気もせえへんかったし。ストロング打った方がいいなと思いました(笑)。2R終わった後に、そう思いました。
-階級が上の相手でした
かなり上ね。パワーもありましたけど、でも決まった時点でそれは分かっていたので。偉大やなと思いました。
-相手はカウンター狙いという作戦だったが
元ボクシングの日本ランカーの渡部大介さんという方とスパーリングさせてもらっていて。パワーは2週間ではつかないのでスピードに慣れようと思って、その分、助かったなと言う感じでした。
-戦いにくい点は
シンプルにパンチが重いし、身体が強い。自分の階級だったら下がらせることは、そんなにないですけど、気づいたらずっと(背中に)金網があって。電流が流れていたら、大変なことになっていた(笑)。
-KOで決めたかった
もちろん。だから思い切り振り回していました。見ている人には分からなかったかもしれないけど、拳が痛いくらいです。今回、倒れてもいいと。相打ちでもいい覚悟でいったんですけど、偉大でしたね。同じ階級だったら、相手が失神していたと思います。いや、今の発言はカッコ悪いな、直しておいてね。
-結果は納得いっていない?
納得いっていないけど、最低限ですね。自分は芦澤(竜誠)に負けて、ずっと寝技を1年間練習してきて本番になって全部吹っ飛んで、ここで殴り勝ったらカッコいいとやって思って欲が出た。セコンドの顔に泥を塗るようなことをしてしまったんで悔しくてショックで2か月間、遊びほうけていましたけど、そのタイミングで谷川さんに声をかけていただいて。チャリティーイベントでホンマに心を動かされました。
僕が言いたいのは、今格闘技界はいろいろなことになっていますけど、パンチドランカーになるとかずっと言われているんですよね。みんな、ここにいる記者もパソコン打っていますけど、彼女とか家族のためにやっているわけで。腱鞘炎になるからやめろと言われても、飯を食わせなきゃいけないわけじゃないですか。僕も身体を張っているわけやから。パンチドランカーになってもなんも恥ずかしいことやないし。頑張っている人たちは悔しいことあっても胸を張ってね。僕みたいにバカにされても、頑張ることが大事やなと。最低限の勇気を持てるというを見せるのが大事やなと思って、戦いました。僕はプロなんで、アマチュアではないんで、何人かの人たちの心を動けせたかなとは思っています。今言いこといったんで、腱鞘炎になって一字一句書いてな(笑)。
谷川さんには、いい意味で期待を裏切ったらボーナスをほしいと言っておいたので、倒されなかったので皇治ボーナスをファイトマネーとは別にチャリティーに回します。
-煽っていたのは相手をリスペクトしているから?
そうです。興味があるやつかリスペクトあるやつしか煽らないと決めているんで。ブアカーオはずっとテレビで見ていたし、谷川さんもそうですけど、そういう人たちがいなかったら、今の僕はない。素直に感謝していますし、真っ向から殴り合いました。でも、いつ俺を倒してくれんの?世の中の選手たちは。口だけとほざいているやつ、全然、ピンピンしてしゃべれるやん。早く倒してよ、早く引退したいもん。
-バダ・ハリ戦は?
忘れてた。バダ・ハリとやったら死ぬな。でも今日は、シュレックが頑張って勝ったんで感動したな。相手はバダ・ハリくらいでかいでしょう。シュレックは、あんな変な男やけど、勝ったでしょう。これが男やなと思いました。僕も、そんな姿を見せたいなと思いました。でも、バダ・ハリは犯罪者だから日本へ来られへんでしょ。でも、会見で乱闘になって芦澤だったら冗談で済むけど、殴られたら死ぬでしょう。
でも、いろいろなことを言いましたけど、僕には僕のできることがある。それぞれのキャラがあると思うので、みんなで盛り上げていきたいですね。
-次はMMAでしょうか?
MMAは負けているんで、僕ができることをやりたい。MMAやめたんちゃうかなと思っているだろうけど、僕はしつこいんで。また起き上がっていきますよ。せっかく青木(真也)さんとか、竹さん(竹浦正起)とかに教えてもらっているのに、まだ何も見られていないですからね。(次はRIZIN?)もててしゃーないですからね。またRIZINが、大晦日と言ってくるっしょ。誰とやるかな。みんなが盛り上がってくれたら。
でもメイウェザーは、(安保)瑠輝也と不倫するしね。これ決まっているとかではなくて、メイウェザーが瑠輝也とやりたいって言ったんよ。完全に不倫やん。俺のことを集団で襲ってきてね。あきたらいらんやと。パッキャオでもいいけど、弱いからなぁ。誰か突っ込んでや(笑)」
大会概要
能登半島地震チャリティ・イベント
JAPAN MARTIAL ARTS EXPO PROLOGUE
開催日時:2024年10月19日(土) 12:30開場 14:00開演
会場:横浜BUNTAI (〒231-0032 神奈川県横浜市中区不老町2丁目7番1)
主催 :Japan Martial Arts Consortium
スタンド自由席:税込4,000円、アリーナ税込11,000円
【視聴方法】12:45 日本国内 12:30配信開始(日本国内独占・無料)
https://video.unext.jp/livedetail/LIV0000006877?rid=FS00040
大会公式サイト:https://jmaexpo.com/
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